アーコールの椅子作り

アーコールの本社兼工場はロンドンから車で1時間ぐらい離れた森に囲まれた環境にあります。

 

ここで働く職人たちは一人一人が誇りを持ったクラフトマンたち。

工場入口には勤続20年を超えると、自分の名前が刻まれるボードがあります。これを毎日眺めながら、若い人は憧れ、ベテランは誇らしげに仕事に入ります。

 

 

働いている人たちはみな家具を愛し、木を愛でている人々ばかり。

モノ造りをしながら、自然と笑顔が出てくる。

『ひとつひとつを手作りするからこそ、愛着がわく』、『これだけ気持ちを込めて作っているから、長く使ってもらいたい。』 いつもこのメッセージを彼らに会うたびに伝えてほしいといわれる。

 

 

2002年につくられた新しい工場は環境を配慮した最新の工場。

もちろん、モノづくりも環境配慮型。

工場内は自然光を取り入れる配慮があったり、出てくる木の木っ端で温度、湿度を管理したり、水溶性の塗料を使用したりと、サティスナブルな工場です。


次回アーコールの椅子を見つけたら見ていただきたい。

座面を突き抜ける脚をクサビで組んで接合しているところ。

この接合部分が見える椅子は最近めっきり見ることができなくなりました。

なぜなら、とても手間がかかるからです。

穴を開けて、そこに接着剤を入れて脚をさせば出来上がりの椅子が多い中、従来の製造方法である、クサビによる接合にこだわるアーコールの職人たち。

 

そこには、効率だけのモノづくりではない本物のモノづくりとこだわりがあるのです。

 

ビンテージ家具としても人気のあるアーコール家具が愛されるには、このようなこだわりのモノ作りがしっかりあるからなのです。

 

しかし、最近のビンテージ家具の中にはこの気持ちに反して、心もとない修理・修復を施し、価格を付けているモノも見受けられるそうです。

これはイギリスの話。どうも、日本向けに輸出されるアーコールビンテージ家具の状態がひどいと、アーコールの職人たちが嘆いていたのが、印象に残っています。

 

『良いモノ作りをしているから、キチンと修理ができるようになっている。だから長年使えるのだから、修理もキチンとしたやり方をしないと、その価値が全くなくなってしまうのだよ・・・。っと、組み立てをしていた職人が声をかけてくれました。』

 


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